邦画鑑賞②

どうも、おまたせしました。
『海猿』、全て見終わりました。

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生徒たちの滑稽なコメントの連続で、
教室の後ろで笑いをこらえるのに必死だったり、
意外なコメント、反応に 『え、なんで?』って思うことも。

日本人の話す日本語、コミュニケーションを見てもらおうと思っての
今回の映画鑑賞だったのですが、

後で思えば、私が学ぶこともたくさんあった鑑賞会でした。

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映画の中で、役者さんたちが、じーと見つめあったり、
独りで何かを思いふけったり、沈黙がところどころあるのですが、

この 『間』 というものは、生徒たちにはなかなか理解できなかったようです。



日本人のコミュニケーションの形態の中に、

言葉を言わなくてもわかる、

 つまり、『つうかあの仲』 とか、『以心伝心』 とか、

 『あの人は空気を読める、読めない』 

    という表現もありますよね。



欧米人にしたら、

    『なんで何も言わなくてわかりあえるんだ、
           
          空気を読むって、空気には何も書いてないぞ』
 
                          ってなるわけです。


この違いは、それぞれの言語的要素の違いもあるのですが、
もうひとつ、『自己』の概念の差も出てきています。

心理学者のユングが言っていますが、
欧米の『自己』とは、それぞれの『個人』がまったく別々のもので、
このそれぞれの『個人』の間にものすごく距離がある。
もちろん、この『距離』は物理的ではなく、精神的なもの。

人は、みんなそれぞれ違う経験、個性、価値観がある、がために、
その『違い』の存在を理解したうえで、
その距離を埋め、お互いを理解していこうという目的の下に
『コミュニケーション』というものが生まれました。

違うもの同士が『距離』を縮めて解り合っていこうという道具が『言葉』です。
『理解』のためには、『言葉』が絶対必要不可欠なわけです。


再び、心理学者のユングが言っていることですが、
(もしくは、日本の心理学者、河合 隼雄氏だったかもしれない。
 今、文献が手元にないのでちょっとわかりません、すみません)

 『日本人の『自己』というのは、他人の『自己』と近接している。』

以前に、このユングが説いている『自己』を図にしたものを見たことがあるのですが、
他人の『自己』とほぼくっついていました。
(興味のある方は、調べてみてください。)

なので、人と同じように何かをしたり、考えたりすることで、そこに安堵感が生まれ、
『自己』も成り立つ。
自分がうれしいことは、きっと他人もうれしく思うだろう、
自分が悲しいことは、きっと他人も悲しく思うだろう。。。。という
潜在意識が強く成り立つと思います。


この概念から、『言葉』という道具がなくても、

   『解りあえることもできる』、

こともあるんだろうな、

実際に『コミュニケーション=communication』という言葉は
もともと日本語にはなく、
きちんとした日本語に訳すのもちょっと難しいです。
『言葉』がなくても解りあえる歴史をもっていますからね。

いくら『個人』がまったく違っている欧米人だからといっても、
日本人と同じ、ある程度の経験を積んでいる大人であれば、
人の気持ちを配慮したり、共感したりということはあります。
(シンパシー=sympathy 同情、共感、共鳴)

だけど、その共感や共鳴にも必ず『言葉』が存在して、『沈黙』はない。



映画のシーンで、何回も 『間』(沈黙) があって、
お互い同じことを感じあっている、
日本人が涙をしたであろうシーンは、
我が生徒たちにとって、

  









格好の雑談タイム

    
   と化していました。  笑~。



女子生徒が何度かイライラして、
  
     『なんで、だまっているのー、
     なんか言いいなよー、
     次のこと早くやろうよ!
     そんな見つめ合ってる時間ないよ!』
   

         って発狂してました。 笑笑~。


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この、『間』について、映画を見終わってから少しずつ自分なりに分析したので、
生徒達に話す機会を逃した。。。
この内容をとっさに話せない、自分の英語力不足も実感。

次もまた邦画鑑賞を考えているので、もうちょっと準備して臨まないとな、
と勉強になりました。


*せろりから一言*
下に生徒たちのコメントを載せましたが、
彼らは正直に思ったことを発するアメリカ人でして、
海猿ファンでこの映画が大好き、大切にしているという方達は、
このコメントを読まないほうがいいか、と思われます。
一応、伝えておきます。



1.大輔が抜け道を探しに火の中に入り、
  その後酸素ボンベを持って帰ってきたとき。

     『なんで生きてるんだよー、
             ありえないよー』
        
        死んでほしいのか?  
        確かに、アメリカのアクション映画では、誰かが
        仲間のために犠牲になって、その人がある意味ヒーローになる。

2.吉岡が独り船に残され、あとの3人が脱出に向かう。
  3人のうちの一人の男性が吉岡にむかって
  『死ぬなよー!お前、絶対に死ぬなよー!』
  と叫んでいたとき。

     男子生徒が苦笑い。 
     男があんなふうに叫ぶのはみっともない?
     理由をきいたけど、教えてくれなかった。
     まぁ、たいした理由はなさそう。

3. そして、日本中の海猿ファンが涙したという、プロポーズのシーン。

    『みっともない~、みんなに聞かれるなんて恥ずかしいよぉぉ。
     ありえない~!!
     Oh my Gooood !!』   
       
          男子生徒、頭を抱える。 ^^;
     
    『ほらね、やっぱりプロポーズすると思ってた』

           と、女子生徒。
   
4. 大輔のプロポーズのセリフ、
   『子どもをたくさんつくって、日曜日には公園へ行こう』をきいたとき。


 




   大爆笑~~
   
  
           この映画、ニューヨークで上映されたそうですが、
           このシーンは同じく、 爆笑の渦だったそうです・・・・。
           人前でのプロポーズは、コメディになってしまうそうです。
   
     その後、続々と、

    『そんなことしてるひまないよ! 早く、仲間を助けに行けぇぇぇ!』
     時間が無駄だぁぁぁ!!!!!』
      
          と、発狂しまくり。。。。
  
      なんとも、いつまでも批判される大輔くん。。。


5.大輔が男性を背負ってはしごを登っていたときに、
  大量の水が流れ込み、はしごから手を離してしまい、
  落下していく妊婦の手を危機一髪つかんだとき。


 



 『お前は、スーパーマンかぁぁぁ、
   なんでだぁ!
       どうやってやったんだぁ!!』

      
           落ち着け、落ち着け、映画だよこれ、^^;

6.そして、水圧に耐え切れず、3人が落下。

    『Oh My GooooooooD !!!
     手を離したぁぁぁ』
    『3人とも死ぬのか?マジか!!』
    『あんなプロポーズやってるからだ』
    『あれで3分、いや5分は無駄にした。』
    『あのはしご20メートルってことは、だいたい16フィートだから、
     半分くらい登ってたってことは、そんなに高くない、
     助かってるよ、きっと。
    『下に水があるから、 水がクッションになってるかもしれない』
    『イルカが助けにきてくれるんだよ、きっと』
          
            実におもしろい。。。

7.かんなが、『大輔くんは、絶対帰ってくると約束してくれました』
  みたいなセリフを時任さんに伝えるシーン。

   『何言ってんだ、この子~、 おかしいよ~』
   『日曜日に公園行こうって考えてる場合じゃないよ~』

      とちょっとあきれている男子生徒。
      私はなんで?って思って、理由をきいたけど、
      言ってくれなかった。。。もうちょっとつっこめばよかった。

     生徒たちは恋愛ごとよりも、みんなが生きるのか、死ぬのか、  
     海の底で待つ仲間は?ってことが気になってしょうがない様子。
    
8. 置き去りにした吉岡を発見、彼は生きてた。

     『おおー!生きてたぁ』
     『でもなんでだ』
     『酸素が70%残ってたよ』
     『ああ、そうなんだ』

9.大輔とかんなのキスシーン。

    『なんか変、このキス!』
    『唇がちょっとしかくっついていない!』

      日本では、あんな大勢の前でキスすることですら
      珍しいんですよ・・・^^;
    
10.一人の生徒が、映画の内容とは別の意見を。

    『読む字幕の量が少なくて楽だった。
     アメリカの映画の字幕はやたら多くて長い。』

    これも、日本人の言葉の少ない象徴なのかな、とふと思った。
  
そして、私の感想。
今回、私も初めてみました。今までの『海猿』もドラマでちょっと知っていた程度。
太宰治の『走れメロス』を思い出しました。
どんなに疲れていても友人を救うべく最後まで走り続けたメロス。 
熱い友情がジーンときました。^^
by celori20 | 2008-10-10 06:35 | 日本語教師


2009年4月、留学中にハリーくんと運命の出会い。2009年ー2011年超遠距離恋愛を経て、2011年12月婚約。2012年6月婚約者ビザ取得。同10月に入国。 新婚生活が始まりました!!


by cero

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