The Lady, Or The Tiger? (女か、虎か)
2008年 05月 25日
教育実習の授業で使った物語。
フランク・ストックトン作。
古代イタリア、ローマが舞台。
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昔、一人の王様がいた。
想像力豊かで、近代的なアイディアを生み出す知的な王様。
空想好きで、毎日自分の想像にふけりその時間を楽しんでいた。
その一方で、自由を愛し、荒々しい気質をもった、幾分か野蛮な性格でもあった。
その野蛮な王様は時々、牢獄にいる罪人をアリーナに送り、
二つのドアの前に立たせる。
罪人はどちらかのドアを選びドアを開けなければならない。
その一つのドアには空腹で、大きく強い虎が、
もう一つには家来達が探しあてた町中で一番美しい女性が。
虎を選べば、虎と戦い、死への道を。
女を選べば、その女性と結婚へ。
その罪人が既婚者であってもその女性と結婚しなければならない。
どちらの道に進むか、自分の運がすべてを決める。
これが王様の決めたこの国のおきてである。
王様にはとても美しい娘がいた。
この王女もまた王様同様、幾分か野蛮な人間だった。
その王女はお城で働く、働き者でハンサムな青年と恋に落ち、密会を重ねる。
それを知った王様はすぐさまその青年をアリーナへ送るよう指示を出した。
それを知った王女は城中をかけめぐり、
どのドアに虎か女が隠されるのか、情報を入手する。
当日ドアに隠される女性は城中で一番美しい人。
王女はこの女性の知的さ美しさに嫉妬をし、彼女を嫌っていた。
虎を選べば、愛する青年が血まみれになり食い殺される。
女を選べば、愛する青年が自分の嫌いな女と結婚する。
運命の日、青年はアリーナの中央に立ち、王女は王様の横に座る。
王女がドアの秘密を知っていることに感づいた青年は、
アリーナから王女を見つめ、
『どっちのドアを開ければいいのか?』
と、目で問いかける。
誰にもわからないよう、王女はすばやく右手を動かし右の扉を開けるよう伝えた。
青年はさっと右の扉に近寄り、扉を開けた・・・・・。
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著者は、この物語の結末を明らかにはしていない。
リドル・ストーリーといって、
結末の結果を読者にゆだねるという書き方をしているため。
リドル=(riddle=なぞなぞ、謎めいた、という意味)
授業の最後に生徒たちにそれぞれの結末を考えてもらい、
それについての話し合いをしてとても盛り上がり楽しい授業となりました。
青年が開けたドアは、女か、虎か。
そしてなぜ王女はその扉を開けさせたのか。。。。
みなさんはどう思いますか。
*生徒たちが出した結末と、私の出した結末はこちら。
by celori20
| 2008-05-25 11:41
| 学業